職員の自由と権利を奪い、府民サービス向上に逆行する憲法違反の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」「労使関係に関する条例案」に断固反対する

11月28日、松井知事は「職員の政治的行為の制限に関する条例案」「労使関係に関する条例案」を府議会に提出したことを受け、大阪府関係職員労働組合は、以下の抗議声明を発表しました。

【抗議声明】

職員の自由と権利を奪い、府民サービス向上に逆行する憲法違反の「職員の政治的行為の制限に関する条例案」「労使関係に関する条例案」に断固反対する

2013年11月28日 大阪府関係職員労働組合

1.大阪府の松井知事は11月28日、「職員の政治的行為の制限に関する条例案」「労使関係における職員団体等との交渉等に関する条例案」を理事者提案として府議会に提出した。松井知事は、府議会での質問に対し、「府職員は政治的活動に関して公務員である立場をしっかり踏まえた対応をしている」と認識しながらも、「大阪市に派遣している府職員が発信したメール事案は、法令・条例には抵触するものではないが、職員の政治的中立性に誤解を生じさせた」として、「問題事案の未然防止の観点から制定する必要がある」と答弁している。松井知事の答弁でも明らかなように、立法事実のないもとで府議会に条例を提出したことは、断じて許されない行為であり、厳しく抗議するものである。

2.「職員の政治的行為の制限に関する条例案」は、職員が規制される政治的行為の範囲を国家公務員並みに拡大するものである。国連自由権規約委員会は、国家公務員法のような包括的・網羅的な政治活動の規制は「不合理な制限」とし、その撤廃を日本政府に勧告している。公務員の政治活動は「自由」が世界標準であり、条例は世界の流れに逆行すると言わざるを得ない。また、公務員は「全体の奉仕者」(憲法第15条2項)であり、特定の知事や議会のために存在するものではない。行政のあり方や府政の課題など職員が意見表明し、積極的に住民と意見交換することは、住民福祉の増進など、よりよい行政を実現するためにも保障されなければならない。これを規制する条例は、住民との共同を阻害し、特定の知事や議会にのみ忠実な職員をつくり、行政の中立性・継続性を否定するものである。さらに、憲法21条1項に保障された政治活動の自由を不当に制約し、政治的行為の制限の解釈・運用に際し「職員の利益保護を目的とする」とした地方公務員法36条5項にも違反する。
昨年12月に出された最高裁判決は、国公法で禁止されている政治的行為とは「公務員の職務遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるものを指す」としている。知事の言う「誤解を生じる」「未然防止の観点」は、極めて「観念的なもの」であり、条例は最高裁判決にも反する。しかも、松井知事が唯一の理由としている「職員のメール事案」は、法令・条例にも抵触せず、条例の対象に値しないものである。条例制定の狙いが職員への管理強化とトップダウンの徹底、「いっさいの批判を許さない口封じ」であることは明らかである。

3.「労使関係における職員団体等との交渉等に関する条例案」は、憲法で保障された労働組合活動を不当に制限するものである。管理運営事項であっても、勤務条件などに関連する場合は、団体交渉の対象となるのは当然である。しかも、労使の意思疎通を阻害し、最前線で住民の意見を聞き、専門性や経験を蓄積した職員の意見を排除することは、行政運営にも悪影響を及ぼすものになる。総務部長も府議会において「職員団体が本来の役割を果たしていることは良好な職場環境をつくるうえでも必要なこと」(2012年3月9日)と答えている。
また、府労働委員会は9月26日、大阪市役所庁舎内の組合事務所退去にかかわる団体交渉を拒否したことは、不当労働行為であると断じ「誠実団体交渉」と「誓約文の手交」を命じている。まさに条例は、労働組合そのものを否認するものであり、憲法28条の労働基本権を踏みにじる条例といわざるを得ない。

4.以上のとおり、両条例案は憲法にも地方公務員法にも違反し、職員の自由と権利を奪うばかりか、府民サービスの向上に逆行する。府職労は、これらの条例を断じて許さず、いっそう住民との共同を広げ、全力で奮闘する。

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・両条例に反対するビラをまわりにぜひ、広げて下さい!

20131129bira

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