「職員基本条例案」の概要発表に対する府職労委員長声明

「大阪維新の会」 が発表した「職員基本条例案」の概要に対し、府職労は委員長声明を発表しました。

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「大阪維新の会」の「職員基本条例案」の概要発表にあたって

 

大阪府関係職員労働組合(府職労)

執行委員長 平井 賢治

 

橋下知事が率いる「大阪維新の会」は22日、「職員基本条例案」と「教育基本条例案」の概要を発表し、大阪府議会、大阪市議会の9月議会に条例案を提出することを表明した。

「職員基本条例案」の概要は、「部長や次長など幹部職員を『準特別職』として公募制を導入」「民間登用や『抜てき人事』を可能にする」とし、知事や一部幹部に強大な特権を与え、府幹部を特権官僚化するものである。

また、日々府民と接し、第一線で働く職員に対しては、「人事評価の相対評価を徹底して、パフォーマンスの最も低い職員から一定数を下位評価にすることを人事担当に義務付ける」とし、「連続して下位評価を受けた職員を分限免職の対象とする」「同じ職務命令に3回連続で違反した職員は分限免職」「職制や定数の改廃、予算の減少により過員を生じた職員を免職できる」とし、トップダウンを徹底し、特権官僚による職員支配を強化するものである。

日本国憲法は二度と侵略戦争や人権侵害を繰り返さないために、公務員を全体の奉仕者とし、憲法尊重・擁護の義務を課しており、公務員は憲法の立場で住民の命・財産を守ることが職責である。

いわゆる「身分保障」は、選挙により交代することが前提の首長による恣意的な処分や免職の横行により、行政の大前提である政治的中立性と行政の安定性・継続性が損なわれることを防ぐための規定であり、行政の原則を守るためのものである。だからこそ、「身分保障」は公務員の労働基本権が剥奪される前から国家公務員法に明記されていたものである。

とりわけ、人事評価で必ず5%の下位評価を義務付け、連続すれば免職できることになれば、評価制度そのものに客観性も公平性もない以上、上司に気に入られることに必死になる公務員ばかりをつくることになる。府民要求に耳を傾け、その実現のために努力する職員を排除し、どんな悪政であっても権力や上司に従い、府民を抑制・管理する職員づくりを狙うものである。

かつて、生活保護を認めず、市民が餓死したという痛ましい事件の背景に、保護件数圧縮という「業務目標」と「評価制度」が存在したが、府民の生活実態よりも上司の定めた目標が優先されれば、府民の願いからかけ離れた府庁に変質することは必至である。

「条例案」の前文では、「『民』が求める政策を実現することを阻む硬直化した公務員制度を再構築することが求められている」「わが国社会の停滞を打破し、『民』主体の社会とするために公務員制度改革を行う」とされている。ここで「民」としているのは、いわゆる「民間大企業」であり、「府民」ではない。この間、橋下知事と「大阪維新の会」が強引に押し進めてきた府庁のWTC移転に見られるように、この「条例案」の真の狙いは、関西財界と民間大企業主導の政策を進めることである。府幹部の民間登用や任期制などは、まさにそのための「公務員改革」と言わざるを得ない。

今、深刻な不況と失業、非正規労働の増大の中で、府職員が府民全体の奉仕者として府民と向き合い、憲法・地方自治に基づく職務を遂行することこそが求められている。

府職労は、憲法・地方自治を守り、福祉や教育、医療など、府民の生活と権利をも守り、「大阪維新の会」が「条例案」の9月議会への上程を行わないよう強く求めるとともに、府民要求の前進めざし、広範な府民との共同した取り組みを全力で進めるものである。