府労組連ニュース・秋季年末要求実現へ職場から全力をあげよう

知事・時短「時短は必要、今季をめざしたい」賃金改善「勧告に従わないという判断も視野においている」

府労組連は、一〇月二七日知事あてに今季要求書を提出(第一回団体交渉)しました。しかし、知事が公務のため出席できなかったことから、あらためて知事に対する要求説明と知事からの回答の場を要求。一〇月三〇日十一時三〇分から橋下知事との交渉を行い、前進的回答をもとめました。
府労組連の辻委員長は、府職員・教職員の賃金改善、時短・長時間過密労働解消と人員増、非常勤職員の賃金・待遇改善、WTCへの府庁舎移転問題の四点についてあらためて府労組連の考え方を示し、前進的回答を求めました。

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橋下知事「賃金制度や特別休暇などの改悪」に言及

知事は「公務員組織の人件費には硬直性がある。頑張っている職員は評価する。過大に評価されている部分は落としていく」「休暇制度について、民間に比べて過大なものがある。妻が出産するからといって休みが取れるなんて民間から怒られる」などと回答。「課題提起をしているので協議してほしい」と極めて不当な回答を行いました。

また、その一方、「教員、警官、知事部局の職員、みんな頑張ってくれている。」「人事委員会の勧告が出されたが、それに従わないという判断も視野においている」と回答し、大幅な人件費カットのもとで、さらなる削減を勧告した人事委員会のマイナス勧告については実施しないことも検討しているとの考え方を示しました。

時短要求については、「社会的な流れがあれば、時短するようにいっている。しかしやるのであれば効率化は必要」と回答。「今季決断を」とのさらなる追及に対し、「今季をめざしたい」と回答しました。

非常勤職員等の賃金改善については、「上げるのはいいが、正規職員がどこまで覚悟を決めてくれるか。税金で補てんしてあげてくれは通らない」と回答しました。

WTC移転問題については、「組合としては越権行為。自分の政策判断」としながら、大阪府の財政状況の厳しさについては理解を求めるとともに「大いに意見を言ってほしい」と、矛盾した考えを述べました。

府労組連は、今回の知事回答を受け、十一月十一日の山場に向けて、全職員・教職員署名や府民宣伝などの取り組みを進め、大阪府の独自カット撤回、勤務時間短縮、非常勤職員の待遇改善などの要求前進に全力をあげます。

橋下知事に対する、辻委員長の要求趣旨説明の概要

1.最も切実な要求である賃金改善問題について

12年間に及ぶ給与削減に加えて、昨年8月からの平均13%にも及ぶ人件費の大幅削減によって、府職員の賃金水準は民間に比べて6.73%、2万5290円低いとの結果が出ている。しかしながら、府人事委員会は、カット前の公民較差にもとづいて、マイナス0.22%、一時金0.35月の削減、年間で15万3000円も減額するという不当な勧告を行った。これは、職員の生活実態を無視し、地方公務員の賃金決定システムをないがしろにするもの。府労組連の要求は、府職員の生活悪化と士気の低下をくいとめ、誇りと意欲をもって府民や子どもたちに向き合うために必要な最低限の条件を確保するためのものだ。また、府民の利益と対立するものではなく、教育と府民サービスの向上や労働者全体の賃金引上げにもつながり、中長期的には、内需拡大、大阪経済の活性化や府税収入の向上、府財政の再建につながる正当性を持っていると強調した。

2.非常勤職員の賃金・待遇改善について

府立学校の非常勤講師の報酬が、昨年度までの月額制から時給制に改悪され、週15時間授業を持つ平均的な講師で、年収が178万円から146万円へと18%もダウンした。非常勤講師が大半を占める非常勤職員は、府立高校の教職員1万3千人のうち、実に3000人を占めている。この人たちを除いて大阪の高校教育が一日もなりたたないにもかかわらず、こうした劣悪な勤務条件の下におかれている。
知事部局でも、非常勤作業員の時給は社会保険料などを引くと約750円。公務サービスをになう労働者の賃金改善のための公契約条例制定に踏み切るべきと要求。

3.時短、長時間過密労働と欠員問題、「教育に穴があく」という問題について

知事部局ではいつ過労死が起きてもおかしくないほどの長時間過密労働が蔓延し、メンタル不全も増大している。
また、府内各地の小中学校で、「教育に穴があく」という事態が頻発している。この異常な事態をつくりだしている原因は、大阪府が毎年、正規教職員を本来の必要数の半分以下しか採用せず、残る定数を劣悪な勤務条件にある臨時教職員によって埋めるという施策をとり続けてきたことにある。その結果、義務教育で子どもに授業を保障できずに「教育に穴があく」という事態、教職員には病休・産休などの人間としての最小限の権利さえ保障できないという異常な事態をつくりだしている。こ直ちに改善することを要求。
時短問題では、愛知県で知事の決断によって来年の1月1日から15分の時短が実現した。今季決断を求めた。

4.WTCへの府庁移転問題について

27日の府議会で移転案がふたたび否決された。このことを議会の判断、府民の判断として、知事は厳粛に受け止められるべき。まだ使い道さえ定かではないWTCを購入するために、85億円もの税金を投入するというのは、知事の言われる「府民感覚」からも、あるべき府の財政規律からも、大きくかけ離れたものだといわざるをえない。ムダ遣いはやめて、税金は府民サービスの向上のため、またそれを担う府職員の勤務・労働条件の改善のために使うべきと申し入れました。

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